観客もスタッフも、つながることは「当たり前」。
パートナーとしてともに創る、未来志向のスタジアム
県立カシマサッカースタジアムでは、2017年からフリーWi-Fiサービスをコンコースや観客席のほぼすべてに導入しています。
先行的な通信インフラ整備により、電子チケットやキャッシュレス決済への対応にもいち早く取り組んできました。
さらに、2017年の導入と同時に観客用Wi-Fiと同じアクセスポイントでスタッフ用Wi-Fiの運用も開始。電波を効率的に活用し、スタジアムのどこにいても仕事ができる、シームレスなビジネス環境を実現しています。
鹿島アントラーズFCではスポンサーをパートナーと位置付けています。取締役副社長の鈴木氏は「スタジアムは我々とパートナーで創るラボ」と語ります。
NTTBPはそのパートナーとして同社を支えながら、スタジアムのWi-Fi環境構築やデジタルサービス導入に取り組んできました。同社でファシリティマネージメントを担当する萩原氏はこうも語ります。「Wi-Fiがアドオンのサービスという時代は既に終わっています。誰もが使えて当たり前のものなんです」
常に挑戦を続ける、鹿島アントラーズFCとNTTBPの取り組みをご紹介します。
鹿島アントラーズ FC
鹿島アントラーズはJリーグでの8回に及ぶ優勝をはじめ、圧倒的な戦績を誇る、Jリーグを代表するクラブチームです。 勝利を追求する姿勢が愛され、ホームゲームでは毎試合、熱心なサポーターが遠方から集います。その観客動員数は、大都市に所在するクラブに勝るとも劣りません。そのホームスタジアムである茨城県立カシマサッカースタジアムは、隣接する鹿嶋市立カシマスポーツセンターとともに、鹿島アントラーズが指定管理者となって運営を行っています。プロスポーツのホームスタジアムとしてだけでなく、地域住民の憩いの場としての顔も持っています。
左から
取締役副社⻑ 鈴木秀樹さん
地域社会連携ディビジョン ファシリティマネージメントグループ マネージャー 兼
茨城県立カシマサッカースタジアム所⻑ スポーツセンター施設⻑
萩原智行さん
総務・人事グループ 総務・業務チーム コーポレートソリューション担当
遠野航也さん
観客向けフリーWi-Fi
スタジアムのほぼ全域で利用可能。
スタジアムに最適化された設計で、高密度なアクセ
スポイントを無駄なく運用
県立カシマサッカースタジアムは約40,000人を収容できる大型スタジアムですが、観客席やコンコースのほぼ全てのエリアでフリーWi-Fiを利用することができます。試合前やハーフタイムなど利用が集中する時間帯でも、ストレスなく通信することが可能です。無駄のない効率的なアクセスポイントの配置によって、電波状況には濃淡をつけながら、多くの観客が満足できる環境を整備しています。
入場前、キックオフを待つ観客席、売店の待機列など、1人の利用者を追ってみても環境は刻一刻と変化していきます。
観客の行動をふまえた概念設計とそれに基づいた、設置場所やチャネルの緻密な設計で、アクセスポイント一台一台に最適な設定を行っています。
その快適さは、スタジアムを訪れたアウェイサポータから「うらやましい!」という声が上がるほどです。
デジタル化がデータビジネスの土台に。
利用者の環境に頼らないデジタルサービスの提供
コロナ禍を経て「電子チケット」や「キャッシュレス決済」といった電子サービスが主流になる一方、イベント時のモバイル通信の混雑が社会問題化しつつあります。利用者のスマホがインターネットにつながらないことで、かえって行列になるイベントも散見されます。
カシマサッカースタジアムでは、こういった状況が頻発する前の2017年からすでに、フリーWi-Fiを導入しています。インフラ環境の先行した整備により、各種の電子サービスの導入も早い段階で進めることができました。
デジタル化のメリットは、ペーパーレス化や効率化だけではありません。デジタル化によって蓄積されたデータはマーケティングや試合運営のための予測に活用されています。鹿島アントラーズFCではこうした取り組みを先進的なものとしてではなく、「プロスポーツの現場でのデータビジネスは既に当たり前のもの」としてとらえ、ブラッシュアップを続けています。
スマホ時間の長いサポーターのためにスタジアム外もエリア化。情報配信の場としても活用
鹿島アントラーズサポーターの半数以上は、遠方から長時間かけて訪れます。移動や待機の時間が長いため、スマホの利用時間も長くなる傾向にあります。そこで、スタジアム内はもちろん、試合前イベントの開催やキッチンカーの出店場所である、メルカリロードや鹿嶋市立カシマスポーツセンター前の広場などにもフリーWi-Fiを設置しています。
フリーWi-Fiに接続するとクラブのWebサイトが自動的に表示され、当日販売のグッズなどを見ることができます。「Wi-Fiがあることで待ち時間を情報配信の時間に変えられる」のだと言います。
鹿嶋市立カシマスポーツセンター
地域住民も集まるスタジアムのために
鹿島アントラーズFCでは、スタジアムに併設されているフィットネスクラブ「ウェルネスプラザ」や、チームドクターの診療が受けられる「アントラーズスポーツクリニック」などを運営し、試合日以外のスタジアム活用にも積極的に取り組んでいます。
こういったエリアにもアクセスポイントを設置し、満足度の向上を図っています。
スタッフ用Wi-Fi
「どこでもつながる環境」は自由な働き方を後押し
スタジアムやクラブハウスなどほとんどの場所で、観客用のフリーWi-Fiと同じアクセスポイントからスタッフ用のWi-Fiも送波しています。観客用と業務用を重畳利用することで、設置した機器を最大限に活用しています。
広範囲なWi-Fi環境によって、スタッフはオフィス内外の自由な場所で仕事が可能です。
試合の日だけのためではなく、すべての業務において役立つWi-Fiは、今やなくてはならないものです。
現在も、更に高いセキュリティと使いやすさを両立したシステムの導入を、共同で検討しています。
スタッフ専用エリアには業務専用のアクセスポイントを設置
ロビーで仕事をするスタッフも
多拠点でのWi-Fiネットワークで業務のフルクラウド化に対応。
データ分析の効率化で育成にも寄与
スタジアムやクラブハウスなどほとんどの場所で、観客用のフリーWi-Fiと同じアクセスポイントからスタッフ用のWi-Fiも送波しています。観客用と業務用を重畳利用することで、設置した機器を最大限に活用しています。
広範囲なWi-Fi環境によって、スタッフはオフィス内外の自由な場所で仕事が可能です。
試合の日だけのためではなく、すべての業務において役立つWi-Fiは、今やなくてはならないものです。
現在も、更に高いセキュリティと使いやすさを両立したシステムの導入を、共同で検討しています。
周辺デジタルサービス
Wi-Fi環境構築以外にも、複数のデジタルソリューションを活用し、運営に役立てています。
WGBTセンサー
酷暑の続く昨今、試合運営において、観客はもちろん運営スタッフの安全管理のためにも、温湿度の計測は欠かせません。また、試合のない日でもフィットネスクラブ利用者にスタジアムを開放しており、試合日同様安全管理が必要です。
スタジアム内は日当たりも風の通りもさまざまで、温湿度の計測を1か所のみで行うわけにはいきません。従来、複数個所の温湿度を確認するにはスタッフがその場所に行って、確認しなければなりませんでした。
カシマサッカースタジアムではクラウド管理のWGBTセンサーを14か所に設置。
事務所にいながら一括で確認、危険な数値も一目でわかり、スタッフの稼働が大幅に削減されました。
ビアガーデンテーブル予約システム
夏季限定で行っているビアガーデンは、大変人気のイベントです。システム導入前までは、座席予約をアナログで管理していたため、電話応対に時間をとられたり、予約状況のリアルタイムな共有が難しいなどの課題を抱えていました。
本システムを導入することで、問い合わせ対応稼働や管理コストを大幅に下げることができました。
関連コラム
-
カシマサッカースタジアムでサッカー観戦しながらフリーWi-Fiを使ってみた実はフリーWi-Fi充実のカシマサッカースタジアム。実際に訪れて体験したことをご紹介します。
-
スマートスタジアム「カシマサッカースタジアム」が見据えるその先の未来とは茨城県鹿嶋市にある「茨城県立カシマサッカースタジアム」(以下、カシマスタジアム)は、Jリーグ「鹿島アントラーズ」のホームスタジアムだ。同スタジアムでは 高密度Wi-Fi環境を整備するなど、さまざまなICTを導入することで、スポーツ観戦における新たなファン・サポーターの体験価値を提供する、国内最先端のスマートスタジアムを目指している。
-
編集長完全主観!素人がカシマサッカースタジアムを楽しむ9つのコツまだまだ伝えきれなかったカシマサッカースタジアムの魅力を、プライベートで潜入した編集長が食べつくしながら語ります。
-
日本初のスタジアム開催!ドローンレースの主催者に話を聞いてみたさまざまな「国内初」を打ち出したKASHIMA STADIUM DRONE RACE 2023(U99) 自身もレーサーとして活躍する主催者にイベント開催までの経緯や準備の話を聞いてみました。
関連キーワード
お気軽にご相談ください
業務DXや通信環境でお困りのことがありましたら、いつでもNTTBPがお手伝いします。