平野石油 様

ドラレコ付きWi-Fiルーターで実現するスマート配送管理

全車両にドライブレコーダー付きWi-Fiルーターを搭載し業務を効率化

運送業界は人材不足による現場ドライバーへの負担増加が課題となっており、業界全体でDX化が求められています。
平野石油では、配送・在庫管理などを高度にデジタル化し、ドライバーの負担軽減に取り組んでいます。例えば、配送中に各ドライバーはタブレット端末を携行し、本部とリアルタイムに情報を共有、業務がより円滑に行えるようになりました。
一方、デジタル化を進めるにつれ、ドライバー一人が携帯するデバイス数も増加し、通信費用も増大傾向にありました。
また給油時の車内での待ち時間の有効活用のためにドライバーからは「車内で事務所内と同じようにシステムを使いたい」という声も上がっていました。 そこで、業務効率化と通信費削減の観点から、2022年には全てのタンクローリーに「ドライブレコーダー付きWi-Fiルーター」の配備を完了しました。

平野石油

平野石油は日本全国にネットワークを持ち、国内有数の規模を誇るプロフェッショナルなエネルギー配送企業です。保有する130台以上のタンクローリーは全て特別製です。コンパクトな車体を駆使し、大型のタンクローリーでは届けられない工事現場などに、スピーディーに燃料を配送することで、日本の産業を支えています。

給油配送システム「Smart web order」は特許を取得するなど、注文や配送管理のデジタル化にも積極的に取り組んでいます。

平野石油
システム統括部長 山下拓さん

ドライブレコーダー付きWi-Fiルーターを全車両に配備

一台で複数機能を備えた、ハイブリッドデバイス

Wi-Fiルーター機能
バックグラウンド通信はモバイル回線です。SIMフリーで好きな種類を選択することができます。 平野石油では、高セキュリティな閉域網対応用のSIMを採用しました。
クラウド型ドライブレコーダー機能
撮影した映像はクラウドで保管されます。万一事故などが発生した場合に、車両の帰庫前でも本部ですぐに映像を確認することができます。同社ではメインのドライブレコーダーの補助として活用しています。
通話機能
事務所とドライバーとがハンズフリーで通話できる機能も備えています。悪天候など緊急時にドライバーへ一斉通報を行うことができ、トランシーバーのような活用が可能です。

コンパクトな設置。サブレコーダーのためこの位置に設置している。

導入の効果

SIMフリーなWi-Fiルーターで、外出先でもセキュアな通信が実現。
給油の待ち時間も有効活用することで、ドライバーの負担を軽減。

これまでタブレット端末で利用していたモバイル回線では、社内ネットワークにアクセスすることができませんでした。
一方で、配送現場では、待ち時間が発生することも多く、ドライバーからはこの時間を有効活用できないか、という声が上がっていました。
導入したルーターはSIMフリーのため、閉域網へアクセスできるSIMを採用することができました。タブレット端末のSIMで行っていた通信のほとんどを車載Wi-Fiに切替えることで、待ち時間にも社内ネットワークで業務を行えるようになり、帰庫後の事務処理時間の短縮につながりました。

マルチキャリア化で通信障害への備えを強化。

業務上の通信を主に車載Wi-Fiで行うようにしたことで、タブレット端末のSIMは格安で使える他キャリアのものへと切り替えることができました。
車載Wi-Fiをメインの通信手段としつつ、タブレットのSIMを残してマルチキャリア化することにより、通信障害へのリスクヘッジも万全な状態をつくっています。
デジタル化によって、通信障害時のリスクが高まっていますが、複数の通信手段を確保することで、不測の事態でもサービスを継続して提供できるよう備えています。
キャリア選択が自由となった結果、コストを抑えてマルチキャリア化をすることができました。

通話機能をトランシーバーに代用することで、携行端末を削減。

緊急時に一斉通報する必要があるため、以前はスマートフォンなどの端末に加え、IP無線機を利用していました。現在はこの一斉通報もドライブレコーダーの機能で行えるようになり、端末や通信費を削減することができました。

今後の展望

更に自動化・デジタル化を推進し、すべての機器をWi-Fi通信へ。

トラックにはデジタルタコグラフをはじめ、インターネット通信を行う機器が多数搭載されています。現状では、特定のSIMとセットで販売されているものもが多いですが、今後すべての通信がWi-Fiに一元化できれば、より大きなコスト削減を実現できるでしょう。
また、Wi-Fiが常設されていることで、センサーによる自動化など新たなDXの選択肢も広がっています。
運送業は特に強くDXが叫ばれている業界でもあり、トラックそのものが走る高度なIoT機器となりつつあります。今後も車載Wi-Fiの活用の場はますます広がっていくことが予想されます。

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