静岡県沼津市のサッカークラブ、アスルクラロ沼津では、ホームゲームのチケット販売所、入場口、公式グッズ販売所などのデジタル化や、キッチンカーの集まるスタジアムグルメ「アスルキッチン」でのキャッシュレス決済を推進しています。
しかし、ホームスタジアムである愛鷹広域公園 多目的競技場は、Jリーグ以外にも幅広い用途で使われています。そのため、デジタルサービスの導入に重要なWi-Fi設備を常設することができません。また、屋外の広いスペースをエリア化する必要もあります。
そこで、アスルクラロ沼津では、親機に光回線ケーブルを接続するだけで、複数のアクセスポイント同士が自動連係して広いエリアをカバーできる、屋外型マルチホップWi-Fi(中継無線)を導入しました。
アスルクラロ沼津
アスルクラロ沼津は1990年に発足し、地域リーグ、JFLを勝ち抜いて2017年よりJ3で戦う、静岡県沼津市をホームタウンとし静岡県東部地域で活動しているクラブチームです。
選手やスタッフとサポーターの距離感が近く、それぞれが密接に関わって一体感のあるチームを作り上げています。
ホームスタジアムの愛鷹広域公園は北に愛鷹山、南に海を臨む自然豊かな環境で、サッカー以外の競技も楽しむことができる市民の憩いの場となっています。
アスルクラロスルガ株式会社
運営事業本部 パートナー担当
秋山 卓哉さん
私たちアスルクラロ沼津のホーム戦では、ご来場いただくお客さまがアスルキッチンを楽しみにしてくださってますが、このWi-Fiがついて決済手段も増え非常によろこんでもらっています。
アスルキッチンだけでなく、グッズ購入の際の決済手段や入場時のワンタッチパスでもこのWi-Fiを利用することでお客様の満足度向上にも繋がっております。
多忙を極める試合当日。わずかな時間で設置完了できる理由とは
配置して電源を入れるだけ。毎試合の設営・撤去も負担の少ない設営
アスルクラロ沼津の運営やブース設営は、少人数のスタッフとアルバイト、ボランティアの方々の手によって支えられています。会場ではチケット販売、グッズ販売や電子チケット対応、キッチンカーのキャッシュレス決済などにWi-Fiを利用していますが、これらの設備を、少人数ですべて試合当日に設営し、撤去まで行う必要があります。
計5台のアクセスポイントを行うのは通信設備に詳しい技術者ではありません。ほとんどの作業を行うのはアルバイトスタッフの方です。中には、はじめて現場に入ったという方もいます。
LANケーブルを接続するのは親機のみ。中継無線でケーブルレスに広範囲をカバー
必要な設定がすでにされているため、設置は簡単です。子機4台を決められた大まかな位置に置き、親機に光回線のケーブルを挿して電源を入れるだけ。あとはアクセスポイント同士が中継してネットワークを最適化してくれますので、厳密な位置や向きの調整やチャネル設定もせずとも十分な性能を発揮することができます。専門知識がない方でも、少ない人数で設置まで行うことができます。
もちろん電源は必要です。アスルクラロ沼津では施設管理者である県の了承のもと、飲料の自動販売機の機器との共有により、電源確保の省力化にも努めています。
スタンド付きでらくらく設置。景観に溶け込むデザインもポイント
イベントなどの人が多く集まる場所では、人の体そのものが遮蔽物となってしまい、電波状況が悪くなる懸念があります。そのため、アクセスポイントは高い位置に設置することが望ましいのですが、屋外では簡単にはいきません。試合日だけというような一時的な設置では、その都度大掛かりな足場も組んでいられません。
本件のアクセスポイントは、関連機器を収納した専用のスタンド付きボックスです。そのため、置くだけで簡単に比較的高い位置を取ることができるので、設置時間も短縮できます。
アンテナらしい無骨さが抑えられた景観に溶け込みやすいデザインも魅力です。
入場、グッズ販売、キッチンカーなどで多彩な活躍
マルチホップWi-Fiの導入以前は、モバイルルーター1台を複数店舗でシェアする形でやりくりしていましたが、カバー範囲の狭さや通信の不安定さが課題となっていました。
マルチホップWi-Fiの導入によって、電波環境の安定性が増しただけでなく、レイアウトの自由度も上がったそうです。
またモバイルルーターは、いざというときにだけ使うと話すスタッフも。Wi-Fiに何かあってもモバイルルーターがある、という複数の通信手段の確保が安心につながっているようです。
3~5割がキャッシュレス。キッチンカーテナントへの端末配布でキャッシュレスを推進
アスルクラロ沼津ではユーザーの利便性向上を目的に、キッチンカーへ端末を配布して、キャッシュレス決済を推進しています。
全ての店舗で導入されているわけではありませんが、先行導入されている店舗の方にお話しを伺うと、体感では3~5割程度の方はキャッシュレスを利用しているそうです。「キャッシュレスは店舗よりもお客さまにとって、より嬉しいことだと思います」と答えてくれた店舗もあり、ユーザーからの声に押される形で今後もキャッシュレス決済が増加していくでしょう。
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