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今さら聞けない!? 職場で使うWi-Fiのポイントを初心にかえっておさらいしてみた

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昨今ではありとあらゆる業務で無線通信を使うようになりました。その重要性は日に日に高まり、今では通信の品質が業務効率を左右すると言っても過言ではありません。

とはいえ、無線環境構築にはさまざまな専門知識も必要です。

そこで今回は、初歩的なものを中心に職場環境におけるWi-Fi構築について、よく寄せられる質問とその回答をまとめてみました。

業務用Wi-Fi設置のよくある質問をピックアップ!

Q.Wi-Fiには2.4GHz帯や5GHz帯などいろいろな周波数帯がありますが、業務で使う場合はどれを選ぶのが良いでしょうか?

A.Wi-Fi 6Eが利用できる環境であれば、広い帯域が使えて、干渉の懸念の少ない6GHz帯がおすすめです。

周波数の比較

2.4GHz帯は初期の段階から利用されている周波数帯ですが、利用可能な帯域は限られています。また、屋内外を問わず利用できて便利な反面、特に都市部などでは干渉が課題となっています。

では5GHz帯はどうでしょう。5GHz帯は2.4GHz帯に比べると利用できる帯域が広く、W52、W53、W56が利用できます。ただ、W52では、残念ながら2.4GHz帯同様に干渉が課題となるほど利用は増えつつあります。

というのも、W52はW53、56に比べると使い勝手が良いのです。

W53、56は気象レーダー・航空レーダー・船舶レーダー等と共用していて、干渉を避けるためにDynamic Frequency Selection(DFS)を具備するよう定められています。この機能により、レーダー波を検知するとチャネルの変更、もしくは停止してしまいます。そのため、継続的に安定した通信が必要な業務には採用しにくく、どうしてもW52に利用が集中してしまう傾向があるのです。

5Ghz帯についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

関連リンク:5GHz帯Wi-Fiの屋外利用は禁止って本当? 覚えておきたい「おそとWi-Fi」のルール
https://www.ntt-bp.net/column/blog/2023/04/post-119.html

DFSイラスト2

DFSは絶対に必要な機能ながら、業務上不便となる場合も......

では次に6GHz帯です。こちらは2022年9月に国内利用できるようになったばかりの新しい周波数帯で、20MHz幅であればなんと24チャネルという広大な周波数帯を利用できます。

6GHz帯イメージ

チャネルを多く使える6GHz帯

広いチャネルを利用することで、転送速度の向上が見込めます。また、多くのデバイスが同時に接続することも可能です。この周波帯はまだ利用普及が広がってないこともあり、干渉の懸念が非常に少ないのも魅力です。5GHz帯の一部で必須だったDFSを具備せず利用できることも大きなポイントです。

特に同時に接続するデバイスの多い業務環境において、最適な周波数帯と言えるでしょう。

現時点では屋内利用限定となっていますが、業務に使用するデバイスが6GHz帯に対応できていれば、利用しない手はありません。

関連リンク:Wi-Fi 6E : 無線技術ガイド : NTTBP|NTTブロードバンドプラットフォーム
https://www.ntt-bp.net/product/technical-guide/bp-wi-fi/wi-fi-6e.html

Q.業務用と家庭用、アクセスポイントの違いってなに?

A.同時セッション数やNAT変換数、アンテナの種類が違います。

実は利用できる周波数帯出力は業務用と家庭用で大きな違いはありません。これはすべてのアクセスポイントが、電波法に則って作られているからです。

ただ、価格帯やメーカーによってさまざまではあるものの、業務用には家庭用にはないニーズを想定した機能があります。

そのうちの一つが、より多くの端末が同時に利用できるための機能です。例えば、 同時セッション数 NAT変換数が多かったり、複数のSSIDを設定できたり、SSID毎に通信先を制限できたりします。

また、電波の飛ばし方にも違いがあります。電波の出力上限は法律で決まっていますが、多彩な外付けアンテナがあったり、指向性を調整することでより遠くに電波を飛ばすことができるものもあります。

他にも、高度な暗号化や認証方式が選択できるなど、セキュリティ面にも違いがあります。 さらに「ゲスト認証機能がある」「接続レポートを確認できる」といった機能を持つものもあります。

ただ、機能が増えるほど、設定難度も上がり、構築や運用にノウハウが必要になります。

Q.よく聞く「チャネルボンディング」はやっぱりやったほうがいい?

A.高速に大容量のデータを送れるものの、干渉のリスクもあります。

Wi-Fiの5GHz帯や6GHz帯の周波数帯は1チャネル20MHzで区切られています。それを2つ、4つ、と組み合わせて使うのがチャネルボンディングです。

たしかに、これを用いることで大容量のデータを高速に通信することができます。ただ、その一方干渉するリスクも増えるデメリットがあるのも事実です。

「細い体格の人より、お相撲さんのほうががっしり立っていてびくともしない。チャネルボンディングして太くすれば電波は強くなるんじゃないか?」

思わずこんなふうにイメージしてしまいますが、実は電波の場合はそうではありません。帯域が太くなるということは、それだけ何かと衝突するリスクがあがってしまうのです。また、それによって発生する通信障害は20MHzでも80MHzでも同じです。

チャネルボンディングイメージ

チャネルボンディングの最大のメリットは、一度に送れるデータ量が増えることです。小さなデータのやりとりしかしないIoT機器の利用のみを想定するのであれば、十分な効果は得られないかもしれません。

一方で、クラウドカメラで絶えず高解像度の動画を送信するような場合や、多くの職員が同時に大容量データを送受信する環境の場合は、効果を発揮するでしょう。 6GHz帯を利用すれば、干渉の懸念も少ないので特に恩恵を得やすいと言えます。

チャネルの設計はWi-Fi環境構築の中でも、肝になる重要なポイントです。専門家のノウハウが生きるポイントでもありますので、不安な場合は無線技術者に相談することをおすすめします。

Q.Wi-Fiのヒートマップを自作することはできる?

A.可能ですが、コスト面からも準備は困難かもしれません。

ヒートマップイメージ

簡易的なものでよいので手元にあるものだけで調べたい、という場合は、スマホアプリなどを用いて電波強度やスループットを複数箇所で測定し、プロットするという方法もあります。

ただ、精度の高いヒートマップを作るには高性能な専用機器が必要で、コストがかかります。機器をレンタルする方法もありますが、使いこなすスキルも必要です。

また、通信環境の良し悪しは電波強度だけでは判断できず、多角的な視点で見る必要があります。確かな測定ができたとしても、それを分析・評価するには知識と経験が不可欠で、簡単にはいきません。

自力で実施するのでははく、無線LAN環境を診断するサイトサーベイサービスを利用すると、調査だけでなく有識者の改善提案なども受けられるものあるので、おすすめです。

NTTBPであれば「Wi-Fiドック」という診断サービスがあります。ヒートマップだけでなく、無線LAN環境をトータルで調査できますよ。

  

関連サービス:法人向け診断サービス Wi-Fiドック
https://www.ntt-bp.net/product/service/wifi-dock/index.html

高度な無線LAN環境で業務の効率化を!

周波数帯の選び方、アクセスポイントの違い、チャネルボンディングのメリットデメリットなど、よくいただく質問をまとめました。業務効率の改善には通信環境の最適化が不可欠な時代になっています。

NTTBPではサイトサーベイやWi-Fi 6Eの導入など、無線環境のお困りごとをお手伝いしています。単にWi-Fiアクセスポイントの設置にとどまらない、高度なプライベートワイヤレスネットワークの構築に取り組んでみてはいかがでしょうか。

  

プライベートワイヤレス導入相談 : サービス : NTTBP
https://www.ntt-bp.net/product/service/introduction-consultation/index.html

  

BPサーベイ - サイトサーベイで無線LAN環境を本格調査 : サービス : NTTBP
https://www.ntt-bp.net/product/service/bp-survey/index.html

  

オフィスWi-Fiコンサルティング : サービス : NTTBP
https://www.ntt-bp.net/product/service/office-wifi/index.html

  

BP Wi-Fi : サービス : NTTBP
https://www.ntt-bp.net/product/service/bp-wifi/index.html

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