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Beacon Bank × Japan Wi-Fi が開く、訪日外国人向けマーケティングの新たな可能性

タイトルをイメージした画像

2024年3月、日本には308万人もの外国人旅行者が訪れました。これはコロナ禍前を含めても単月での過去最高の人数だそうです。円安の影響もあって、いま日本は世界でも人気の観光地となりました。

このことは、レジャー、小売り、飲食など多くの分野で、大きなビジネスチャンスと捉えられています。しかしその一方で、想定以上に外国人旅行者が集中してしまったり、どのようにPRすれば良いか迷い、手を付けられていない地域や事業者が多いのも事実です。

頭を悩ませる原因のひとつに「どのような国の人がどこから来て、どこに訪れているのか」がはっきり把握できていないことが挙げられます。旅行者の国籍や言語もますます多様化しており調べるのは容易ではありません。

潜在顧客は増えているのに、できるアクションが不足しているせいで、効果的なPRになっていないことも。

より一層、訪日外国人向けマーケティングが重要視される昨今の状況を受け、NTTBPは株式会社unerryの協力のもと、フリーWi-Fiアプリやビーコンのログを活用した、訪日外国人の人流を可視化・分析するサービス「Japan Wi-Fi Funalytics」をリリースしました。

今回は、NTTBP、unerryそれぞれの担当者に訪日外国人向けマーケティングの最新情報をインタビューしました。

インタビューされている方の写真

株式会社unerryリテール&メディア事業開発メディアプロデューサー 平井健一郎さん(右)と
エヌ・ティ・ティブロードバンドプラットフォーム株式会社プラスワンモール推進部担当部長 太田みゆきさん(左)

「Japan Wi-Fi auto-connect」と「Beacon Bank」はどういうものか

Q.まずは「Japan Wi-Fi Funalytics」のベースとなる2つのサービス「Japan Wi-Fi auto-connect」と「Beacon Bank」について、教えてください。

――太田さん:「Japan Wi-Fi auto-connect」は、フリーWi-Fiに手軽に接続するための無料アプリです。アプリユーザーはWi-Fiスポットに行くだけで自動でインターネットにつながるのでとても便利ですよ。もともと外国人旅行者の方々に使っていただこうと開発されたものなのですが、リリースされた2019年12月がコロナ禍直前だったこともあって、なかなか外国人の利用者が増えませんでした。ですが近年の外国人旅行者の増加に伴って利用者が増えており、2024年4月には170万ダウンロードを突破しています。

JWautoの紹介画像

――平井さん:「Beacon Bank」は生活者のリアルな行動をデジタルデータ化してAIと掛け合わせ可視化するサービスです。GPSと全国216万箇所以上のビーコンネットワークにより1.5億ID(国内)の人流ビッグデータを蓄積していて、これを広告配信などに利用いただいています。データは個人を特定しない安全な形式です。

Q.では「Japan Wi-Fi Funalytics」はどのようなサービスでしょうか?

――太田さん:Beacon BankのSDKを導入することでより強力になったJapan Wi-Fi auto-connectのアプリログの統計情報を、ビッグデータとして観光マーケティングのための人流分析や、訪日外国人向け広告に活用いただけるサービスです。目的に応じて、統計データのみご提供、コンサルティングを含めた分析レポートのご提供、分析データを活用した広告配信などさまざまな形態に対応しています。

Q.NTTBPのWi-Fiオーナーさんだけが利用されるサービスなのでしょうか?

――太田さん:いいえ、データや分析レポートのご提供はWi-Fiオーナー様に限らずご利用いただけますよ。Wi-Fiオーナー様には「エリアオーナーレポート」というWi-Fiの利用状況のレポートをご提供していますが、こちらはWi-Fiの利用状況にとどまります。さらなる深い分析をされたい場合は、Wi-Fiオーナー様にもぜひご利用いただきたいサービスです。

インタビュー中の様子

Q.今回タッグを組むことになった「きっかけ」は何だったのでしょうか。

――太田さん:弊社のアプリで属性やその人の嗜好にあった広告を出す等、アプリをもっと活用できないかと考えていたんです。そんなとき別の会社の方から「unerryさんのSDKを入れればその未来が作れるかもしれない」とご紹介を受けまして。

――平井さん:お話しを伺ったところ、力になれることが多いと感じました。当時、弊社としても訪日外国人旅行者のデータというのがお客さまのニーズとして高まってきていて、課題となっていました。

――太田さん:ありがたいことに「Japan Wi-Fi auto-connect」は外国人旅行者によく使っていただいていますので、お互いにメリットの多い話でした。

埋もれていたフリーWi-Fiのログを活用した新たなマーケティング

Q.二社がタッグを組むことで、今まで見えなかったものが見えるようになるのでしょうか?

――太田さん:そうですね。今までも、分析レポートの提供は行っていましたがその結果が改善策等にご利用いただくまでのケースが少なかったんです。「Japan Wi-Fi Funalytics」は、これまで不足していたデータや機能をBeacon Bankで補い強化しました。例えば、特定の位置やビーコンに近くにきたアプリユーザに対して、通知が送れるような機能も追加されました。 さらに、unerryさんの可視化や分析、PR施策等の技術やノウハウにより私たちのデータを最大限に活用いただくことができます。

――平井さん:Beacon Bankでは、位置情報データとAIを掛け合わせて、人流を可視化しています。個人を特定できるような情報は一切取得していませんが、AIによって、年齢層や趣味嗜好などの属性情報を推測して、分析に役立てています。 この推測のための情報に「Japan Wi-Fi auto-connect」がもつ新たな要素が増えると、我々としてもより面白いことができると感じました。

インタビュー中の様子

Q.ビーコンというのは一つ特徴のようですが、活用することでどんなメリットがあるのでしょうか?

――平井さん:GPSでは、連続的に取得される緯度経度のログによって主に屋外の行動や特定の施設の来訪が分析でき、これにビーコンが加わると屋内も含めたより詳細な情報を得ることが可能になります。例えば、商業施設の出入り口にビーコンを設置して、特定の条件の人が来店したかを、より詳細に集計できます。他にも、GPSだけではわからない、建物の階層の判別や建物内の回遊状況などを可視化することができますよ。

――太田さん:我々が設置しているWi-Fiのアクセスポイントにはビーコン機能を持つものも結構あります。これを活用すると、既存のWi-Fiオーナー様にも来店計測などの新しいサービスが提供できるね、ということを、いままさににお話ししているところなんです。

Q.データだけを見ても実際に役に立てられるのか不安に思う人もいると思います。

――太田さん:今までは「もっとお客さまに来て欲しい」「この時間はこちらに来て欲しい」と考えていても「どう働きかけたら良いのか」は難問でした。「Japan Wi-Fi Funalytics」は広告配信や混雑緩和に向けた通知といった施策までセットでご提供できます。きっとご要望に合う方法を見つけ出すことができると思いますよ。

――平井さん:会社さんによりけりではありますが、たとえばお店をやっている方は、やっぱり「お客さんをより深く理解したい」と考えますよね。ただそれは直接的に聞き出すわけにはいきません。お店に、どの国の人がよく来ているのか知りたくても、逐一「どこから来た人ですか」とは聞けないですよね。なので、行動から導かれた属性情報を把握することができる、さらにお客さまの好みや言語で広告まで出せる、という点は魅力的なのではないでしょうか。

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ログデータを活用することでさまざまな利用方法が見込める

Q.このような活用ができるのも、フリーWi-Fiのアプリということで訪日外国人のみなさんから支持されているからなんですね。

――太田さん:アプリの利用者様だけでなく、Wi-Fiのオーナー様にもメリットを、これまで以上に感じていただけるのではないでしょうか。オーナー様であれば、現状を知りたいと思ったとき、自分でデータを増やすという方法もとれるわけです。「Japan Wi-Fi Funalytics」で発見した相関をもとに、Japan Wi-Fi auto-connectで広告を出し、そこからさらにデータで効果測定し、また新たな広告や施策を実施し、データを得る、と良いサイクルを築いていただければ嬉しいですね。

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Q.最後に、サービスを検討されている方に一言お願いします。

――平井さん:正直なところ、インバウンドの領域というのは、弊社にとってもまだまだこれから確立していかなきゃいけない分野でもあります。今のインバウンドというと、チャンスでもあり、注意すべきものでもあると思うのですが、そこをいい方向にもっていけるように、データを活用しつつ手を取って取り組んで行けたらなというのが、私たちの思いです。

――太田さん:現在のインバウンドの状況は私たちにとっても、手探りの部分もあり、挑戦でもあります。 一方で、日本社会全体にとっての大きなチャンスであると思っています。ご検討されているみなさんとは、提供者とお客さまという関係を超えて、日本を一緒に盛り上げていきたいですね。

ログ活用でユーザーもより豊かな体験ができる

「ログ情報」と聞くと、中には自分の個人情報が使われる、流出しているなど、不安に思う方もいるかもしれません。しかし、そうではありません。今回ご紹介したサービスをはじめ、個人を特定しない、位置情報や移動などの統計データがAIや分析の力を使って私たちサービス利用者の体験を豊かにしてくれる、そんな時代になっています。広告主は相手が誰かを知らないまま、これから行く場所の混雑情報や、並ばずに済むバスの情報や、好みの味のお店の情報などを届けることができます。

今回、二社の持つそれぞれの強みが掛け合わされることで、「Japan Wi-Fi Funalytics」はより多彩で高精度な分析を提供できるようになりました。ログビジネスの活用は重要視されていく昨今、扱いやすくわかりやすい本サービスをぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

Beacon Bank(ビーコンバンク)
https://www.beaconbank.jp/

Japan Wi-Fi auto-connect | フリーWi-Fi自動接続アプリ
https://www.ntt-bp.net/jw-auto/ja/index.html

訪日外国人を中心としたフリーWi-Fiデータ可視化・分析サービス 「Japan Wi-Fi Funalytics」の提供開始について : ニュースリリース : NTTBP|NTTブロードバンドプラットフォーム
https://www.ntt-bp.net/articles/2024/06/wifi-funalytics.html

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