だいぶフリーWi-Fiを理解したけど、でもやっぱりまだ怖いなぁ。だってテレビとかでも危険とか事件に使われてるとか言ってるしなぁ。
関連リンク:フリーWi-Fiはなぜ「怖い」と思われる? ~危険性を犯罪者目線で考えてみた
https://www.ntt-bp.net/column/blog/2021/04/post-27.html
これまでフリーWi-Fiの安全な利用については、このコラムでも何度か掲載していますが、サツキさんはまだ不安を払拭できていないようですね。
サツキさんのように、インターネットが絡むようなニュースや事件を、なんでもかんでもフリーWi-Fiに紐づけている方も多いのかもしれません。
ですが、ちょっと待ってください。Wi-Fiに関する情報を発信している編集部として、この誤解を見過ごすわけにはいきません。
そこで今回は、私たちの友人でもあるフリーWi-Fiさんをお招きし、率直な意見を伺っていこうと思います。
Wi-Fi、無線ってだけで、いろんな事件がフリーWi-Fiのせいにされるけど全然関係ないものだってあるんですよ!(泣)
フリーWi-Fiさん、今日は好きなだけ思いのたけをお話しください。
フリーWi-Fiは関係ないのに......
今回のコラムではWi-Fiをはじめとする電波に関する身近な犯罪やトラブルを紹介していきます。ニュースなどでご覧になったことがある内容もあるかもしれません。
通りすがりに望まぬ画像をプレゼント ~AirDrop痴漢
iPhoneなどに搭載されているAirDropという機能を使った「AirDrop痴漢」という新しいタイプの痴漢が話題になったのをご存じでしょうか。
AirDrop機能を使えば、連絡先を知らなくても、近くにいる人と写真や動画などのやりとりができ、とても便利です。
ですが、その機能を利用して、電車や人混みの中などで、見ず知らずの人から一方的に迷惑画像を共有されてしまうのが「AirDrop痴漢」です。他にも、ナンパ目的でメッセージが送られる、といったこともあるようです。個人情報を盗むわけでもなく、ただ自己の欲求を満たすためにこうした機能を利用しているようです。
また、iPhoneの名前を本名に設定していると、性別が特定され狙われてしまったり、本名が知られてしまったりすることも。
AirDrop機能はBluetoothとWi-Fiの設定がONの状態であれば、Wi-Fiスポットにいるかどうかに関係なく利用できるんですよ。「外出先でWi-Fiの設定をONにしてる」ってだけで、フリーWi-Fiのせいにする人もいるみたいなんです(泣)。
自分が望んでもいない情報を送りつけられるのは避けたいですよね。
【対策】AirDrop痴漢にあわないためには?
対処方法は、次の2つです。
- iPhoneに性別のわかる名前を設定しない
- AirDropの受信設定を「すべての人」から「受信しない」「連絡先のみ」にする
インターネットを利用した犯罪にフリーWi-Fiを悪用
フリーWi-Fiをめぐる犯罪には、犯罪者が足のつきにくい通信手段と考えて、フリーWi-Fiを悪用するケースがあります。
本当にいい加減にしてほしいです! こっちだって悪用されて迷惑しているし、評判もガタ落ちだし。それにね、足がつかないと思っていたら大間違いなんですよ。
犯罪者がフリーWi-Fiを悪用するケースは、フリーWi-Fi利用者が被害にあうわけではありません。
好意をよせる女性にわいせつ画像などを繰り返し送りつけた男性が、ストーカー規制法違反容疑で逮捕されたという事件が実際にありました。この事件で悪用されたのが、観光客向けのフリーWi-Fiです。では、どのようにフリーWi-Fiを悪用したのか? 簡単にご説明しますね。
犯人は、身元が特定されないように約20種類のフリーアドレスを使い分けて、メールアドレス認証でフリーWi-Fiに接続していました。そして、フリーWi-Fiを経由して、女性宛のメール送信などを行っていました。それも短期間に、かつ大量に。
また、メールの他にも、フリーWi-Fiを経由して、女性名義で購入したアダルトグッズなども送りつけられていたそうです。
隣でフリーWi-Fiを利用している人の中にこんな犯罪者がいたらと思うとゾッとするし、お客さまの利便性を思ってフリーWi-Fiを提供しているWi-Fiオーナーさまの気持ちを踏みにじる行為は許せないですよ!!
メールアドレス登録などのユーザー認証は公共のサービスをこうした犯罪者に利用されないように、導入されているものです。本事件もこれが功を奏して犯人逮捕に至りました。 少し面倒に思われるかもしれない、フリーWi-Fiの利用登録ですが、こうした犯罪から私たちを守っているものでもあるのです。
関連リンク:ストーカーにWi-Fiを利用
https://www.sankei.com/west/news/171101/wst1711010003-n1.html
お宅のWi-Fiタダ乗りしちゃいます
他人から自宅のWi-Fiを無断で利用されてしまうのが、このWi-Fiタダ乗りです。自宅に設置しているWi-Fiルーターのパスワードを設定しなかったり、すぐにバレてしまうような簡易なものに設定してしまうと、誰でも使えてしまう状態になりやすく、知らないうちに勝手に利用されてしまう可能性があります。
Wi-Fiってだけで、まったくフリーWi-Fiに関係ないし!
自宅のWi-Fiにタダ乗りをされると、通信速度が下がるだけでなく、犯罪に利用されてしまうケースもあります。
実際に、近隣住人に自宅のWi-Fiをタダ乗りされ、犯罪に利用されてしまった事件も過去にあります。知らないうちに無用なトラブルに巻き込まれ、自分も被害者であるにも関わらず、捜査の対象になってしまう......なんてこともありえます。
自宅用のWi-Fiルーターは、あらゆる家電製品でのWi-Fi利用を見越し、利便性の観点から端末間通信がONに設定されていることが多いから、タダ乗りされちゃうと他人の端末と通信......なんて危険もあるみたい。
関連リンク:無線LAN「ただ乗り」の恐怖 衝撃の「無罪判決」、犯罪に利用され被害者が捜査対象になる恐れ - 産経ニュース
https://www.sankei.com/affairs/news/170526/afr1705260022-n1.html
【対策】Wi-Fiにタダ乗りされないためには?
対処方法は、次の3つです。
- 他人にわからないパスワードを設定する
- Wi-Fiルーターにアクセスできる端末を制限する
- Wi-Fiルーターのファームアップなどを定期的に実施し最新のものにしておく
フリーWi-Fiさんのトホホ
よくフリーWi-Fiは危険だ! って、やみくもに怖がっている人もいるみたいだけど、中には全然関係のないトラブルや、こっちだって迷惑している使い方だってあるんですよ。
いかがでしたか? Wi-Fiをはじめとする電波が関連するトラブルには、フリーWi-Fiには直接関係しないものも多くあるんです。 これで少しはフリーWi-Fiさんへの誤解が減ると良いのですが。
Wi-Fiコラムでは、皆さんがフリーWi-Fiを安全に使うためのポイントなどをいろんな記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
関連リンク:フリーWi-Fiはなぜ「怖い」と思われる? ~危険性を犯罪者目線で考えてみた
https://www.ntt-bp.net/column/blog/2021/04/post-27.html