ここは、イケてる店長(通称:イケ店長)がおいしいコーヒーを入れてくれる素敵なカフェ。
イケ店長は、来店されるお客さまに安心してフリーWi-Fiを使っていただけるように、専門会社のNTTBPに相談することにしたようです。
自分なりに検討して、利用登録が必要なフリーWi-Fiを導入しようと決めました。ただ今後の導入に向けて、何を決めたり準備したらよいのか、まったくわからなくて。
このようにお悩みのオーナーさんは多くいらっしゃると思います。
そこで今回のWi-Fiコンサル編では、NTTBPのフリーWi-Fiを例に、導入時に決めておくべき内容について、ポイントを絞ってご紹介していきます。
目次
Wi-Fiの顔となる部分を決めていこう
(1)SSIDを決めよう
では、まずSSIDから検討していきましょう。
SSIDというのは、スマホなどでWi-Fiを利用する際に、設定画面のWi-Fi一覧から選択するネットワーク名のことです。
使用できる文字は「半角英数字」と「-(ハイフン)」「_(アンダーバー)」などの一部の記号です。日本語でも設定は可能ですが、スマホなどの端末によって認識しない可能性があるため、当社ではお断りしています。なお、英字は大文字と小文字の識別もしますので、その点も留意しましょう。
文字数は32文字までと決まっていますが、長すぎると、端末によってはすべて表示されないため、15~20文字程度を目安にしていただくとよいでしょう。
Wi-Fi一覧に表示されるSSIDは、端末によって電波強度や文字列の順で表示されます。
SSIDには店名を含めたりすると、Wi-Fi利用ユーザーにとって分かりやすく利用しやすいものになりますよ。
(2)提供するWi-Fiの電波の種類を決めよう
Wi-Fiには、いくつかの電波帯域があるのをご存知ですか。お店にあった電波を選んでいきましょう。
一般的な帯域は2つ。まずひとつは2.4GHz帯、もうひとつが5GHz帯です。それぞれの特徴は以下にまとめますね。
2.4GHz帯 | 5GHz帯 | |
電波の特徴 | 遮蔽物があっても回り込む特性のある電波で、全体に広くエリアカバーできる | 直進性のある電波で速度が速い |
メリット | 古い端末や格安スマホなどにも対応 | 他の無線との干渉が少なく、通信が安定 |
デメリット | 電子レンジやBluetooth、多くのモバイルWi-Fiルーターで使用しているので干渉しやすい | 遮蔽物に弱い |
2.4GHz帯と 5GHz帯の両方をご提供することは可能です。ただし、イケ店長のお店のように、人通りも多く、他のお店のフリーWi-Fiなどいろんな電波が飛んでいるエリアでは、2.4GHz帯のWi-Fiは他の電波と干渉して少々つながりづらい可能性が出てきます。アクセスポイントから、Wi-Fiを提供するエリアまでの店内に遮蔽物が少ない場合は、5GHz帯のみの提供をするオーナーも最近では増えています。
(3)エリアサインを用意しよう
それと、Wi-Fiの工事までに検討しておいていただきたいのですが、来店されたお客さまに、"ここでWi-Fiがタダで使えるよ!"というステッカーなどを用意しておくとよいと思います。当社では「エリアサイン」と呼んでいます。よくお店などに貼っているあのシールですよ!
遊び心のあるデザインで目を引くようなエリアサインもあれば、ブランディングにつながるようなものなど、オーナーによってさまざまです。
せっかく設置したWi-Fiを使っていただけるよう、分かりやすいものを準備したいですね。
それだったら、店のバイトの子がすごくイラストが上手なので彼女に頼んでみようかな!
Wi-Fi利用のルールを決めよう!
(1)ユーザーの認証方法を決めよう
「ユーザー認証」とは、フリーWi-Fiを利用する際に、メールアドレスなどで利用登録していただくことです。
フリーWi-Fiの安全なご利用のために、ぜひユーザー認証を設けていただくようにおすすめしています。
ユーザー認証はお店でフリーWi-Fiを悪用されないためにも必要、と聞いていたのでぜひ導入したいなぁ。
ユーザー認証の必要性については、以下の記事でも詳しく説明していますのでご参照ください。
関連リンク: おさえておきたいフリーWi-Fi設置のポイント(全4話)~②フリーWi-Fiもいろいろ編
https://www.ntt-bp.net/column/blog/2021/02/post-14.html
認証方法で一般的なのは、メールアドレスやSNSアカウントによる登録です。当社では、メールアドレスのほかに、Twitter、Facebook、dアカウントでのユーザー認証が可能です。また中国のお客さま向けに、中国語ではWeiboでも認証することができます。
利用登録画面は色や画像を自由に設定できる
ユーザー認証は主にWEBブラウザで行います。当社では、ユニバーサルデザインに対応した利用登録画面(ポータルページ)を用意しています。カラーバリエーションもいくつかありますので、お店のイメージにあわせてお選びいただけます。
また、利用登録画面には画像も表示することができます。お店のロゴを入れたり、エリアサインと揃えたりすると、お店のWi-Fiだということがわかりやすいですよ。
登録されたユーザー情報について
利用登録されたユーザー情報は、当社が管理いたしますので、オーナーさまで漏洩リスクなどの対策をしていただく必要ありません。当社のサーバーでしっかりとセキュアに保管しています。
また、このユーザー情報は、オーナーやWi-Fi利用ユーザーに無断で二次利用するといったことは決してありませんのでご安心ください。
あのWi-Fi利用時の登録情報って、なにかの広告が送られてきたりとか、そんなのに使われるんじゃないかと、怖かったんですけど、そういうことじゃないんですね。
はい、少なくともNTTBPのフリーWi-Fiは違います。
認証画面でユーザー情報をご入力いただくのは、総務省が推奨しているWi-Fi提供のガイドラインに基づき、犯罪抑止などの観点からお願いしているのであり、お預かりした個人情報を活用するためではありません。
例外として、万が一、イケ店長のお店のフリーWi-Fiが犯罪に悪用され、警察の捜査に協力する必要がある際には、捜査令状に基づいて認証情報を提供することがあります。こういった対応も、当社で対応いたしますのでご安心くださいね。
関連リンク:総務省|無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/wi-fi/
(2)利用条件を決めるのに大事な同時接続数
では、同時接続数を決めていきましょう。このお店の1日あたりの来店者数と、1テーブルあたりの平均滞在時間を、おおよそでも構いませんので教えてもらえますか?
同時接続数? ってなんですか?
同時接続数とは、1つのアクセスポイントに同時に接続できる端末数のことです。フリーWi-Fiは提供する際に「最大同時接続数」の設定をする必要があります。これは今後、他の項目を決めるにあたっても重要な情報です。
飲食店の場合は1日あたりの来店者数や、1テーブルあたりの平均滞在時間に、当社では、Wi-Fi利用率を組み合わせて「同時接続数」の目算をたてます。Wi-Fi利用率は、これまでWi-Fiを導入いただいた多くの事例から当社が算出している割合です。
「最大同時接続数」は設定によって、ご利用料金が変わってきます。ご用意される回線に対しオーバースペックだと無駄なコストになります。一方で、少なすぎるとインターネットにつながらないお客さまが多くなり、クレームにつながります。お店にあった設定にすることが大切です。
(3)1回あたりの接続利用時間と1日あたりの利用回数を決めよう
先ほど決めた同時接続数をもとに、利用時間と回数を決めていきましょう。
来店したお客さんは無制限に使える、というわけではないんですか?
そういった設定も可能ですが、おすすめしません。一度Wi-Fiに接続した端末は、切断しなければ、Wi-Fiにつながり続けます。同時接続数には上限がありますので、たとえば、お料理などがきて、インターネットをしていないのにそのままWi-Fiをつなぎ続けているユーザーが増えると、本当に利用したいユーザーがつながらなくなってしまいます。
フリーWi-Fiを利用するときに、同時接続数なんて気にするお客さまはいませんよね。なので、あらかじめ設定により1回あたりの時間に区切り、それを1日に何回接続可能にするかを検討しませんか。お客さまの平均滞在時間やお店の回転率などもふまえて、検討していきましょう。
(4)インターネット回線は今のままで十分?
お店には、すでに光回線があるようですが、それはどのような用途でお使いなんですか?
主にクレジットカード決済と、閉店後の食材発注、あとはバイトが休憩しているときのネットとかですかね。
本来ですと、お店の業務に関わる回線とフリーWi-Fiに使用する回線は、分けることが望ましいです。フリーWi-Fiによって、万が一業務に支障があっては本末転倒ですからね。
ですが、通信量や利用頻度、ご予算などによっては、同じ光回線を併用されるケースもあります。もし、フリーWi-Fiを提供していて、通信速度が遅いなと感じたら、その際に回線の増強などを検討してみてはいかがでしょうか。
(5)キャリーバッグWi-Fiでトライアルをしてみる方法も
当社には「キャリーバッグWi-Fi」というサービスがあります。アクセスポイントとバッテリーが内蔵されているキャリーバッグをお貸し出しするサービスで、そのまま置くだけですぐにWi-Fiをご提供することができます。
主にイベントなどで利用されるのですが、フリーWi-Fi導入を検討されているオーナーさまが、事前にどのくらい接続されるかを計測するために、試験期間という形でお使いになることもあります。
関連リンク:キャリーバッグWi-Fi|Plus One Mall
https://www.ntt-bp.net/product/service/carrybag-wifi.html
利用登録画面(ポータルページ)を作っていこう
(1)多言語対応は必須
現在は、コロナ禍ということもあり、海外のお客さまは残念ながらいらっしゃらないかも知れませんが、フリーWi-Fiは、訪日外国人旅行者へのおもてなしのサービスでもあります。今後、新型コロナウイルス感染症が収束し、また多くの旅行者がいらっしゃるときのために多言語ページもあると便利です。当社では、標準で日本語・英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語をご用意していますが、最大13言語まで対応が可能です。
そうなんですね。であれば、うちの店は標準の5言語を設定しようかな!
(2)利用したお客さんに見てほしいWEBサイトは
リダイレクトするWEBページを決めましょう。せっかくフリーWi-Fiをご提供するのであれば、ぜひお店のPRなどにもWi-Fiを活用したいじゃないですか。
リダイレクトページとは、お客さまがWi-Fiの利用登録を完了したのちに、最初に表示されるWEBページのことです。フリーWi-Fiを提供されるオーナーさま任意のWEBサイトに設定することができます。
特に表示させたいWEBページが無いということであれば、リダイレクトページは、無事に接続ができたことを証明するページでもありますので、「インターネット接続が完了しました。お楽しみください。」というようなページをご用意できますよ。
(3)Japan Wi-Fi auto-connectでも接続できる
ちなみに、当社では、「ワイコネ」というアプリがあるのですが、ご存知ですか?
「ワイコネ」とは「Japan Wi-Fi auto-connect」というフリーWi-Fi自動接続アプリのことです。導入いただくオーナーには、Wi-Fiをこのアプリに対応させるかどうかも決めていただいております。
どなたでも無料でご利用いただくことができ、1度アプリに利用登録しておけば、自動でフリーWi-Fiをお使いいただけるとても便利なアプリです。駅やコンビニエンスストア、空港などをはじめ日本中で約500ものフリーWi-Fiに対応しています。
ここまでは、WEBブラウザを使ったポータルページの内容を決めてきましたが、このアプリをインストールしているユーザーは来店するだけで、自動でインターネットに接続することができるので、ポータルページ画面でユーザー登録をする必要はないんですよ。
え、コンビニで使ったことありますよ。うちのWi-Fiもそのアプリに対応できるんですね。それは便利だなぁ。
当社でWi-Fiを整備いただければ、追加の費用負担なしでこのアプリに対応することができます。アプリの地図や「対応Wi-Fiサービス」に掲載されますので、このアプリをお使いいただいている多くのユーザーに無料でお店をPRできます。
利用者を守るなりすましブロック機能
またこのアプリには、Wi-Fi利用ユーザーだけでなく、オーナー側にとっても便利な機能があります。それが、なりすましWi-Fiのブロック機能です。
もし仮に、このお店のWi-FiのSSIDとまったく同じWi-Fiに偽装した、いわゆる「なりすましWi-Fi」を店内に仕掛けられたとしても、このアプリは本物と偽物をしっかり区別し、偽物には接続しないので、Wi-Fi利用ユーザーを守ることができるんです。これは、このアプリだけの機能です。
だったら、なおのこと、アプリで接続したほうがいいじゃないですか。いちいち利用登録するんじゃなくて、このアプリがおすすめだよって、俺からも教えてあげようかな。
ありがとうございます。ワイコネのステッカーやパンフレット、ポスターなどはいつでも無料でお渡しできますので、必要な枚数などおっしゃってくださいね。
ひとつひとつ、オーナーさまに合わせたフリーWi-Fiを
いかがでしたか。今回は顧客サービスなどを目的として、お店オリジナルのフリーWi-Fiを導入するための重要な部分をご紹介しました。
難しいポイントもありますが、NTTBPでは丁寧にご案内いたしますのでご安心くださいね。
オリジナルのフリーWi-Fiを検討するのではなく、時間も、予算も無いので、SSIDなどを含めて全部NTTBPにお任せするから早くフリーWi-Fiを設置して! というオーナーさまには、早く、安価に、そしてかんたんにフリーWi-Fiをご提供できるパッケージWi-Fiもご用意しております。
Wi-Fi設置に関する問い合わせは、ぜひお気軽にNTTBPインフォメーションデスクまで。
さて、次回はいよいよ最終話。お楽しみに。