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個人情報が必要な通信は、フリーWi-Fiではなるべく控えるのがベターですが、ときとしてはこのような場面もありますよね。
フリーWi-Fiって、鍵マーク付き(パスワードを入力)とか、鍵マークがないものとかいろいろあるんだよなぁ。 ここのカフェのWi-Fiは、鍵マークがついているから、個人情報とか入力しても大丈夫そうだよね!
サツキさんのように、「鍵付き」と聞くと無条件で安心する人も多いかと思います。でも、残念ながらそうとは言い切れないんですよ。
そこで今回は、「鍵付き」フリーWi-Fiの意外な落とし穴について、ご紹介しますね。
フリーWi-Fiをできるだけ安全に利用するための内容をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!
そもそもフリーWi-Fiの「鍵」って何? なんのためにパスワードはあるの?
そもそもこの「鍵」とは、通信の暗号化やユーザー認証のためにあります。
暗号化とは、盗聴されても通信内容が分からないように加工することです。暗号化されているフリーWi-Fiは、SSIDの横に鍵マークがついています。
スマホなどWi-Fiに接続する端末とアクセスポイントの間で行われる通信を暗号化しますので、通信内容を傍受される心配が少なくなります。暗号化の形式はいくつかありますが、WEP形式など脆弱性が指摘されているものもあります。
ユーザー認証とは、会員制サービスなどで個人を識別したり、その個人を割り当てたりすることをいいます。
いずれも、限られた人しか知らないIDやパスワードを入力することで、安全にインターネットを利用することができます。
「鍵付き」のフリーWi-Fiでも危険な場合も?!
冒頭でお伝えしたとおり「鍵付き」のWi-Fiだからといって、必ずしも安全ではありません。なので、過信しないことが大切なんですよ。
では、なぜ過信してはダメなのか? 次の項目で理由をご説明しますね。
せっかく鍵をかけていても、パスワードが丸見えだったら意味はない!
せっかく鍵をかけて通信内容が暗号化されていても、パスワードが店内ポスターなどで誰にでもわかるように公開されていれば、暗号化の意味はありません。
第三者にパスワードがバレてしまったら、悪意ある方が盗聴の知識を利用して、通信内容を盗み見てしまう可能性があります。
玄関に鍵をかけていても、その鍵をドアノブにかけっぱなしにしていることと同じことなんですよ。
鍵も大切なんですが、もっとも重要なのは、そのドアノブの先。 同じネットワーク内に入ったときに、端末同士が通信できてしまうかどうかなんです。
次の項目では、その端末間通信についてご説明しますね。
端末間通信により、隣の人に端末の中身が見えてしまうことも!
アクセスポイントの端末間通信が許可されていると、同じフリーWi-Fiを利用している方たちと同じネットワーク内になるため、他の人の端末の中身が見えてしまうことがあります。
こういったケースは、Wi-Fi提供者が家電量販店などで販売されている家庭用のWi-Fiルーターを設置している場合に多いです。
安価にフリーWi-Fiを提供できるため、「よくわからないけど、家と同じWi-Fiルーターでいいかな?」と、セキュリティを考えず悪気なく家庭用のルーターを置いてしまっているお店のオーナーさんもいるかもしれません。
通信事業者によって設置されているWi-Fiは、すべてではないですが、端末間通信ができないものが多いので、Wi-Fiを利用する際にはぜひチェックしてみてくださいね。
フリーWi-Fi以外でも、外出先での端末間通信には注意! こんな悪質な事件も
これはWi-Fiの話ではないですが、以前ニュースなどで問題視されていた「AirDrop痴漢」。あれはまさに端末間通信を悪用した事例といえます。
AirDropはiPhoneやiPadなどの端末同士でBluetoothとWi-Fiの設定をONにしておくことで、通信料金をかけずにデータを送受信できる機能ですが、この機能をつかって卑猥な写真などを送りつけるといった悪質な事件がありましたね。
端末間通信自体は便利な機能ではありますが、便利な機能は、その使いやすさから、ときに危険につながることもあります。
利用するWi-Fiのアクセスポイントの端末間通信設定を確認することはなかなか難しいのですが、ご自身の端末の共有設定やデータの送受信設定がどうなっているかは、すぐに確認して対処できますよね。特にパソコンをご利用の方は、共有フォルダの設定などをしっかり確認しておくことがおすすめです。
大丈夫な「鍵付き」と危険な「鍵付き」って見分けられる?
ここまで、少々怖い例をあげてご紹介をしてきました。
では、つないでも大丈夫な「鍵付き」と、つなぐと危険な「鍵付き」の見分け方を知りたいと思った方も多いのではないでしょうか。
ずばり、つないでも大丈夫! と言い切れる「鍵付き」のWi-Fiは、会員サービスなど、個々にIDとパスワードが割り当てられているものだけです。
安心できるパスワード付きWi-Fiの代表例としては、以下のようなサービスが挙げられます。
- 携帯キャリアのWi-Fi
NTTドコモ社では、ドコモユーザーだけでなく、すべてのお客さまが会員登録によってご利用いただけるdWi-Fiがあります。
参考:d Wi-Fi | サービス・機能 | NTTドコモ
https://www.nttdocomo.co.jp/service/d_wifi/ - 格安SIMを取り扱うMVNO事業者のWi-Fi
OCNモバイルONEやLINEモバイルなど、格安SIMサービスの中には安全で高速なWi-Fiオプションサービスがあります。
参考:OCNモバイルONE | Wi-Fiスポット | NTTコミュニケーションズ
https://www.ntt.com/personal/services/mobile/one/wi-fi_spot/
参考:Wi-Fiオプション|オプション・料金|LINEモバイル
https://mobile.line.me/support/wi-fi/
この他にもさまざまなサービスはありますが、しっかり個人を認証し、暗号化してくれるサービスとして参考にしてみてくださいね。
そもそもフリーWi-Fiは「鍵なし」ばかりだけど大丈夫なの?
一例ですが、NTTBPが提供をお手伝いしているフリーWi-Fiには、鍵付きのフリーWi-Fiはほとんどありません。
その代わり、利用時にメールアドレスやSNSアカウントによる登録により利用できるようにしておくことで、仮に不正な利用などがあった場合でも、対応ができるようにしています。
この仕組みは総務省が定める「Wi-Fi利用者向け簡易マニュアル~安全なWi-Fiの利用に向けて~」に準拠されているものです。
総務省|無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)についてhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/wi-fi/
さらに、同じネットワーク内の端末間通信もできないように設定されています。
ちなみにNTTBPのような通信事業者が提供するフリーWi-Fiのアクセスポイントは、家庭用Wi-Fiルータと比べて機器の性能も高く、電波状況などあらゆるポイントを考えて通信設計されているため、つながりやすさが全然違います。
詳しくはまた、別のコラムでご紹介しますね。
3つのルールを守って、安全にフリーWi-Fiにつなごう!
いかがでしたか?
フリーWi-Fiの安全性や信頼性は「鍵」の有無では判断できないことがお分かりいただけたと思います。
利用したいWi-Fiが「鍵付き」であっても、そうでなくても、外出先でのインターネット時には以下の3つに気をつけてつなぐことが大切です。
- httpsのサイトを見る
- 個人情報のやり取りは控える
- なりすましWi-Fiやフィッシングサイトに警戒する
そっか、「鍵付き」でも、気をつけなきゃ。
今は外だし、ネットショッピングは家でやることにして、海外ドラマの続きを見ることにしようっと。